ロールという考え方をまず身につけよう
ゲームの「うまくなり方」を体系化するNEXTGG編集チーム。ジャンル別プレイヤーと共に、検証と実プレイを重ねた上達メソッドを届けている。
「パーティに入った途端、自分が何をすればいいかわからなくなる」MMORPG(大規模多人数オンラインRPG)の入口で、こういう固まり方をする人は少なくない。やる気はあるのに、情報が多すぎて置き場所が決まらない、という詰まり方だ。肩の力を抜いていい。このSTEP1では、上達の土台になる「ロール」という補助線を、一緒に引いていこう。
ロール -- パーティに置かれた役目の型
ロールとは、パーティ(Party。味方グループ)の中で自分が担う役目の型のこと。多くのMMORPGでは、タンク(敵の攻撃を一手に引き受ける役)、DPS(Damage Per Second。火力を出す役の総称)、ヒーラー(仲間の回復を担う役)の三本柱で設計されていると言われる。
サッカーで言えばGK・DF・FWの関係に近い。GKが攻めに上がり続けたらゴール裏はがら空きになる。同じ現象が、MMORPGの戦闘中にも普通に起きている。自分の持ち場を理解してから、仲間の持ち場を見る。この順番が土台になる。
全部やりたい病 -- 入門期にありがちな詰まり方
入門期に多い詰まり方の正体は、たぶん「全部やりたい」という真面目さの裏返しだったりする。攻撃したい、回復したい、敵視も取りたい。気持ちはわかるけど、全部を同時に背負うとどれも中途半端になる場合が多い。
- タンクの火力欲 -- 盾を忘れるとヒーラーが最初に殴られるのではないか
- ヒーラーの攻撃欲 -- 回復が止まった瞬間、味方のHPは一気に削れているのではないか
- DPSの前線欲 -- 被弾が増えるほど火力の時間は痩せていくのではないか
線を引く目的は、誰かをサボらせるためじゃない。お互いが自分の仕事に集中できるようにするため、と捉え直すと動きの迷いが減ってくる。
住所 -- 責任を持つ一番狭い範囲
役割の境界は、住所みたいに考えると扱いやすい。タンクの住所は「敵の視線と位置取り」、ヒーラーの住所は「味方の体力」、DPSの住所は「与えるダメージの総量」。玄関から先は家主がいちばん詳しい、というやつだ。
緊急時に隣の家を手伝う場面はもちろんある。ヒーラーがピンチのDPSに軽い援護を入れたり、DPSがデバフ(Debuff。敵を弱体化させる効果)を撒いたり。ただし、あくまで余力の話。自分の玄関先が散らかったままよその家を片付けるのは本末転倒になりがちだ。
自己診断 -- 自分はどの住所が気になるか
ロール選びに唯一の正解はないけれど、性格との相性で選んだ人の手応えがいい、という話はよく聞く。自分の気持ちが自然に向かう方向を、三つの問いで拾ってみよう。
- 俯瞰欲 -- 全体を見て流れを作る方がワクワクするか
- ケア欲 -- 味方の状態が気になって目で追ってしまうか
- 数字欲 -- 自分の与ダメが伸びる瞬間に一番興奮するか
一度で決めきらなくていい。全部をいきなりやろうとしなくて大丈夫だし、しっくりこなかったら次を触ればいいだけの話。お試し期間を、自分に許してあげよう。
最初の一歩 -- 今日の一戦で一つだけ試す
知識は、触ってみないと輪郭を持たない。今日のログイン後に、一つだけ小さな練習を挟んでほしい。
パーティが組まれたら、「タンク誰、ヒーラー誰、DPSは誰と誰」と心の中で一度だけ唱える。それだけで画面の情報の見え方が変わってくる。戦闘中、余裕があれば一瞬だけ他ロールの動きを目で追ってみる。数秒で十分。他の住所の忙しさが見えると、自分の住所のありがたさも立体的になってくる。
このSTEPのまとめ -- 土台が持てたか自己チェック
- 三本柱 -- タンク・DPS・ヒーラーの役目を一言ずつで言えるか
- 住所 -- 自分のロールの責任範囲を家の玄関に例えて語れるか
- 余力 -- 隣の家を手伝うのは余った時間だけ、と線を引けているか
- 一歩 -- 次の一戦でパーティ構成を一度だけ唱える準備ができているか
「自分が何をすればいいかわからない」の霧は、ロールという補助線が頭に入った瞬間から少しずつ薄れていく。焦らず、自分のペースで次の扉をあけていこう。





