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事故の起き方を3種類に分類する -- ミス・判断・共有

事故の起き方を3種類に分類する -- ミス・判断・共有

「さっきのはなんで崩れたんだろう」レイドが途中で全滅したあと、Discordの声が一瞬静まる時間にこの問いを飲み込んだ経験は、続けている人ほど覚えがあるはずだ。原因がはっきりしないまま「ドンマイ」で流してしまうと、次の週にまた同じ場所で崩れる。事故の根を言葉にできていないと、練習量がそのまま上達に変わらない時期が来てしまう。このSTEP3では、レイドで起きる事故を3種類に分類して、自分の関与を言葉にするための補助線を引いていこう。

3分類 -- ミス・判断・共有の3つしかない

レイドで起きる事故は、突き詰めると3つのどれかに分類できる場合が多い。

  • ミス -- 動きを知っていたのに、操作として実行できなかった
  • 判断 -- 動きの意味は知っていたのに、その瞬間の選択を間違えた
  • 共有 -- 情報がチームの誰かに届いておらず、個人では避けられなかった

この3分類の便利なところは、原因によって対策がまるで違ってくる点にある。ミスは練習で消える。判断は経験と型で減る。共有はコミュニケーションの設計で防ぐ。同じ「失敗」という言葉で片付けているうちは、対策も全部混ざっていて効果が薄い。

ミス型 -- 知ってたけどできなかった

ミス型の事故は、頭では理解している動きが手から出なかったパターンを指す。回避が遅れた、スキルのボタンを押し間違えた、範囲から出るタイミングを半秒外した。自分の手の中の問題に根がある。

対策は地味で、練習用の低難度コンテンツで同じ操作を繰り返すとか、キーバインドを触りやすい位置に変えるとか、指の問題に落としていく流れが多い。

判断型 -- 知ってたけど選び損ねた

判断型は、もう一段ややこしい。動きの意味は知っているし、操作もできる。それでも、その瞬間にどれを優先するかの選択を外した、という事故がこれに当たる。

たとえば、自分にデバフ(Debuff。キャラを弱体化させる効果)がついているのに、火力を出したい欲で殴り続けてしまって味方を巻き込んだ。ヒールが間に合わない状況で大技を受けきろうとした。複数のギミックが同時に来て、どれを先に処理するかを瞬時に決められなかった。この辺りは全部、判断の問題に分類される。

判断型の対策は、型の整備に近い。優先順位を事前に決めておいて、迷う瞬間を減らす発想で動く。「このデバフが付いたら味方から離れる」「ヒールが薄いときは火力を止める」というような「もしA、ならB」の対応表を自分の中に持っておく、といった整備作業になる。

共有型 -- 個人では避けられなかった

3つ目の共有型は、一番扱いにくい事故でもある。個人の腕と判断では避けられなかった、情報伝達の経路の問題から来ている事故だ。

  • タンク交代の合図が出ていなかった
  • 誰かが担当をすっぽかしたまま本番に入っていた
  • ギミックの処理法が人によって違っていて、全員が「自分は正しい」と思っていた
  • ボイスで出された指示が一部の人に届いていなかった

共有型を個人の反省にすり替えてしまうと、誰も悪くないのに誰かが責められる空気が生まれる。対策はチーム側の設計に振る。事前の打ち合わせ、決め事の明文化、声の出し方のルール作りの方向で直していく話になる。

3分類マトリクス -- 対策の引き出し

分類の目的は、「誰が悪いか」を決めることじゃない。「次に何を練習するか」を決めるための仕分け作業だ。3つの箱を用意して、直近の事故をそこに入れていくと、自分がどの箱から手を付けるかが見えてくる。

  • ミス箱 -- 練習・キー配置・デバイスの問題に落として、手を動かして減らしていく
  • 判断箱 -- 型と優先順位を整理して、「迷う瞬間」自体を減らしていく
  • 共有箱 -- チームで話す内容・タイミング・形式を見直す提案をしていく

自分の事故の多くがミス箱に落ちているなら、ひとりでできる練習がそのまま効く。共有箱が多いなら、これはひとりで頑張っても改善しにくいから、コミュニケーションの取り方そのものを見直す時期に来ている、という話になる。

振り返りの型 -- 1事故1行で

振り返りは長く書けばいいわけじゃない。1事故につき1行、という制約が扱いやすい。

  • 何があった(事実) / どの箱に入る(分類) / 次に何をする(一歩)

この3点を一文に収める。「Aフェーズの散開で範囲に残った/ミス/3日間ローテの練習コンテンツで散開の練習」。このくらいの解像度で十分に使える。

自己診断 -- 分類の解像度を確認する

  • 3分類の区別 -- ミス・判断・共有の違いを、自分の言葉で説明できるか
  • 直近の事故 -- 最近のレイドで起きた事故を、3分類のどれかに入れられるか
  • 対策の方向 -- 分類ごとの対策が違うことを理解したうえで、次の一歩を選べるか
  • 責めない姿勢 -- 反省会ではなく仕分け作業として振り返りができるか

最初の一歩 -- 直近1件を分類してみる

直近のレイドで、あるいは過去のレイドで、記憶に残っている事故を1件だけ思い出してみる。それを3分類のどれかに入れて、1行でメモしてみよう。「どの箱に入るか」を決めるだけで、意外と次の練習の方向がはっきりすることが多い。

事故は起きる。上達するほど、新しい種類の事故が起きる。そのたびに同じ反省を繰り返すか、それとも箱に入れて次の練習に変えるかで、レイドとの付き合い方が少しずつ変わってくる。

執筆・編集NEXTGG編集部

ゲームの「うまくなり方」を体系化するNEXTGG編集チーム。ジャンル別プレイヤーと共に、検証と実プレイを重ねた上達メソッドを届けている。

公開 2026-04-12読了 約4

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