資源ラインの太さを意識する、経済の伸ばし方の基本
ゲームの「うまくなり方」を体系化するNEXTGG編集チーム。ジャンル別プレイヤーと共に、検証と実プレイを重ねた上達メソッドを届けている。
「兵は十分に作ったのに、気づいたら相手の方が数で上回っていた」。このふと訪れる感覚は、RTSやオートバトラーを少しずつ触り始めた人が最初に当たる壁のひとつだ。軍を作ること自体は難しくない。難しいのは、その軍を支える資源ライン――つまり経済の伸ばし方のほうだ。
STEP1でゲームクロックを意識する癖がついたら、次は時計と一緒に「自分の資源ラインがどれだけ太いか」を見る段階に入ろう。軍よりも前に、まず水道管の太さ、というイメージで入っていくと掴みやすい。
資源ラインとは何か、蛇口ではなくパイプ
ここで言う資源ラインは、単に「今持っている鉱石の量」ではない。1秒あたりどれくらいの資源が流れ込んでくるか、その「流量」のことだ。手元のバケツに水がどれだけ溜まっているかではなく、蛇口の根元のパイプが何本あるかに近い。
たとえば労働ユニット(資源採取の働き手)が8人いる状態と16人いる状態では、同じ1分間で集まる資源の量が倍近く違う。この差は序盤には見えにくい。1分時点ではバケツの水位がさほど変わらないからだ。ただし5分、10分と進むほど、パイプの太さが軍の規模にそのまま跳ね返ってくる。
経済を伸ばす3つの蛇口
経済を太くする手段は、実はそれほど多くない。最初はこの3つをぼんやり押さえておけば足りる。
- 働き手の数: 労働ユニットを途切れなく生産し続ける。序盤に止まる瞬間があると、あとから取り戻すのが一気に重くなる
- 採取拠点の数: 拠点(いわゆる「基地」や「ベース」)を2つ目、3つ目へ広げると、1拠点あたりの上限に縛られずパイプを太くできる
- 採取効率の強化: アップグレードや配分の最適化で、働き手1人あたりの産出を底上げする
この3つはそれぞれ役割が違う。働き手は今すぐ増やせる反面、上限に早く届く。拠点拡張は上限を押し上げるが、建設と移動のコストが重く、守りにくい時間帯も生む。効率強化はじわっと効いてくるが、序盤の投資対効果は地味だ。3本の蛇口を試合の流れに合わせてどう捻るかが、そのまま序盤中盤の上達度になっていく。
軍と経済は奪い合う関係
ここで頭に入れておきたいのは、軍を作る資源と経済を伸ばす資源は、同じ財布から出ているという事実だ。働き手をもう1人増やすことと、剣士をもう1体作ることは、多くのゲームで同じ資源プールを奪い合っている。
序盤に軍を厚く作れば、当然経済の伸びは鈍る。逆に経済ばかり太らせれば、守りが薄くなる瞬間が生まれる。伸び悩んでいる人の試合を観察すると、「軍を作っているつもりで経済が止まり、経済を伸ばしているつもりで軍が止まる」という両方が中途半端な時間帯を抱えている場合が多い。
一度にどちらか片方に寄せる、という割り切りも有効だ。たとえば序盤の3〜5分は労働ユニットの増員だけに集中し、その後の数分でまとめて軍を出す。揺れが小さいほうが、自分の経済の現在地が見えやすい。
自分の資源ラインを測る4つの問いかけ
一緒にチェックしてみよう。試合後のリプレイでも、対戦中の小休止でもかまわない。
- 労働ユニットの生産キューが途切れた瞬間が、試合中に何回あったか
- 2拠点目を立てるタイミングを、感覚ではなく時計で言語化できているか
- 軍を作るためだけに働き手の生産が止まった時間帯がなかったか
- 集めた資源がバケツの中で余っている(使い切れず溜まっている)状態が長く続いていなかったか
4つのうち、まず一番気になった項目だけを今日の試合の意識点にしてみるといい。全部同時に直そうとすると、どれも中途半端になりがちだ。
「貯金」はある程度の悪
初心者のうちに気をつけたいのは、資源を貯金してしまう癖だ。手元に資源が多く残っていると安心感はあるが、その分「パイプから流れ込んだ水が、コップの底で遊んでいる」状態になっている。集めた資源はできるだけ早く何かに変換したほうが、時間の進みに対する効率がよくなる場合が多い。
ただし、無理に使い切る必要もない。少しだけ余裕を残して、相手の動きに対応する余白を持つ。自分のプレイスタイルに合う水位を、試合を重ねながら探していくのが現実的だ。
今夜の1試合、軍を一度脇に置いて、まず労働ユニットの数が試合中ずっと右肩上がりになっているか――そこだけに目を向けてみるといい。経済の輪郭が見えた人から、次のSTEPの話が自然に効いてくる。





