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ビルドオーダーという型、自分の手癖を捨てる練習

執筆・編集GAKU編集部

ゲームの「うまくなり方」を体系化するNEXTGG編集チーム。ジャンル別プレイヤーと共に、検証と実プレイを重ねた上達メソッドを届けている。

公開 2026-04-11読了 約5

「毎試合違うことをしているのに、結果だけいつも同じ」。思い当たるかもしれない。序盤の出だしがその都度ばらつくと、どこが悪くて負けたのかが試合ごとに変わってしまい、改善の軸が立たなくなる。

ここで登場するのがビルドオーダー(BO。試合序盤から中盤にかけて、何を何分に何個作るかを決めた行動手順の型)だ。型と呼ばれるくらいだから、ある程度の縛りがある。縛りを嫌う人もいるが、中級手前で伸び悩む原因は、むしろ自由すぎる手癖のほうにあることが多い。

BOは暗記ではなく、再現性の装置

BOと聞くと「何分何秒に労働ユニット○体、兵舎1棟」といった数字の羅列を暗記する作業を想像するかもしれない。ただ、暗記そのものがゴールではない。BOの本質は、毎試合の序盤を同じ形に揃えることで、比較できる物差しを自分に用意することにある。物差しのない試合は、計測できない実験と同じだ。毎回違う条件で試して、毎回違う結果を眺めているだけでは、何をどう変えれば伸びるのかが一生見えてこない。

序盤が毎回ブレていると、負けた原因が「序盤の組み立て」なのか「中盤の判断」なのか「交戦の操作」なのか切り分けにくい。BOを固定すると、少なくとも序盤という変数が定数になる。残った2つの変数だけを検証すればいい状態にできる。これは料理のレシピの話に近い。毎回違うレシピで作った料理の味を比較しても、火加減が悪かったのか素材が悪かったのか分からない。レシピを固定して初めて、今日の火加減の良し悪しが語れるようになる。

まずはひとつ、最後までやり切る

一緒に心がけたいのは「複数のBOをつまみ食いしない」ことだ。初心者〜中級手前の段階で、マップや相手種族に応じてBOを使い分けようとすると、どれも中途半端になる。伸びている人は、まず1本だけBOを選び、それが通用しない相手にも同じBOで挑み続ける時期を経験している場合が少なくない。

選ぶBOは、攻めすぎない標準型(スタンダード、と呼ばれるバランス重視の序盤設計)でいい。奇襲型や一点突破型は、相手の対応を読めるようになってから手を出したほうが安全だ。派手なBOは、成功したときの快感は大きい反面、失敗したときに自分が何を間違えたのかを読み取る難易度が高く、上達の手がかりとしては効率が悪い時期がある。地味な標準型で負けるほうが、序盤の抜け落ちを発見しやすい場合が多い。

手癖を捨てる、ということ

BOが身体になじむまでの数十試合で、一番つらいのは「自分の手癖を捨てる」瞬間だ。「ここで兵をもう1体作りたい」「ここで施設を増やしたくない」と感じても、BOが指示している順番を優先する。違和感を我慢して型をなぞる時間は、短期的には負けが増えるかもしれない。

ただ、この我慢の時間が、試合ごとのぶれを抑え、自分の上達の物差しを作っていく。型をやり切った上で負けた試合は、原因を序盤以外に絞って分析できる、という副次効果も生まれる。武道の型稽古に似た感覚に近くて、最初は窮屈で不自由だけれど、型の中に収まっている時間が長いほど、のちの自由な動きの質が変わってくる。将棋の定跡を覚えた棋士が、最終的にはその定跡から外れた独自の手を打てるようになるのと同じ構造だ。自由を手放す期間は、もっと大きな自由を手に入れるための投資になっている。

BO練習の自己診断

BO練習がうまく回っているかどうかは、次の項目で測ってみるといい。

  • 選んだBOの序盤の手順を、試合が始まる前に声に出して言えるか
  • 試合中、BOの順番を崩してしまった瞬間を、後から時計と一緒に思い出せるか
  • 連続する10試合で同じBOを貫けているか(途中で別の型に浮気していないか)
  • BOを守った上で負けた試合に対して、序盤以外の原因を1つだけ挙げられるか

4項目のうち、3つ以上にうなずける状態になった頃には、序盤の組み立ては「考えるもの」から「流すもの」へと変わっている。

型を一度身体に入れた人間が、のちにその型を壊して自分の色を出していく。順番を飛ばさない、それがBO練習の肝だ。

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