クラフトは「全部作る」をやめる
「メニューに新しいレシピが出たら、とりあえず全部作ってみる」。サバイバル系ゲームを始めたばかりの頃、誰もが一度は通る行動パターンだと思う。作れるようになったものは作りたくなる。この気持ちは自然だし、それ自体は悪いことでもない。ただ、この「作れるなら作る」の癖が定着してしまうと、資源は散って、倉庫は雑多なアイテムで埋まり、肝心な時に必要なものが足りていない、という展開に行きつきやすい。このSTEPでは、クラフトの最初のつまずきを抜け出すための、逆方向の発想について一緒に整理していく。
「作らない」を決めるという発想
クラフトで詰まる人によくある傾向は、「作るべきものリスト」を頭の中に持っていることだ。序盤は石の斧、その次は木のピッケル、余裕があれば弓、食料があれば料理道具。このリストを上から順番に埋めていく感覚で遊んでいる。
この進め方は、レシピ数が少ない序盤は問題なく機能する。ところが、新しい素材を手に入れた途端にリストが一気に膨らんで、追いつけなくなっていく。作るべきものが増えた瞬間、何から手を付けるかの判断が重くなり始める。
ここで逆方向の発想が効いてくる。作るべきものを増やすのではなく、「今は作らないものを決める」という引き算の考え方だ。作らないと決めたものには、もう資源を割かなくて済む。頭の中の優先順位表がスッキリして、残ったものに集中できる。
作らないリストの作り方
具体的にどうやって作らないものを選ぶか。難しく考える必要はなく、3つの質問を自分に投げかけるだけで十分だ。
- 今日の夜までに使うか -- 使わないなら保留
- 代替手段があるか -- あるなら保留
- 必要な素材が揃っているか -- 揃っていないなら保留
この3つの問いにひとつでも「いいえ」が混じったレシピは、一度保留リストに入れておく。保留は廃棄とは違う。必要になった時に作ればいい、というだけの話だ。
例えば、装飾的な壁や家具、豪華な料理、複数バリエーションの防具。こうしたものの多くは、最初の数時間では保留で問題ない。後でゆっくり作ればいい。代わりに、たいまつ、簡単な武器、最低限の防具、基本的な食料。この「ないと困るもの」だけに資源を集中させる。
引き算の効果は、3日で出る
作らないリストを作ってみると、早ければ3日ほどでクラフトの手触りが変わってくることが多い。
変化が一番分かりやすいのは、倉庫とインベントリの中身だ。無駄に作ったアイテムで埋まっていたスペースに、ちゃんと使うものだけが並ぶようになる。整理の手間が減り、必要なものを探す時間も減る。この小さな時間の節約が、ゲームの体感を軽くしてくれる。
もうひとつの変化は、資源の流れだ。引き算で進めていると、同じ素材を複数のレシピで取り合う状況が減っていく。鉄を武器に使うか、道具に使うか、装飾に使うかで迷うことがなくなり、一本道のシンプルな進行になっていく。シンプルは強い、という言葉がクラフトでもそのまま当てはまる。
引き算に慣れたら、少しずつ足していい
ここで大事な但し書きを入れておきたい。引き算の発想は、クラフトを一生節制するための話ではない。あくまで、序盤のつまずきを抜け出すための入り口の姿勢だ。
ゲームに慣れて、資源の流れが掴めてきた後は、少しずつ作らないリストから項目を引っ張り出していく時期が来る。装飾も、余裕のある食料も、バリエーション豊かな武器も、楽しみとしてクラフトに戻ってくる。遊びの幅が広がっていくのはこの段階からだ。
大事なのは順番で、最初から全部を並行すると散ってしまう。最初は絞り込んで、慣れてから広げていく。この順番を守れるかどうかで、序盤のストレスの量が決定的に変わってくる場合が多い。
このSTEPの整理 -- まず引き算から
クラフトを進めやすくするための最初の一歩は、足し算ではなく引き算にある。
- 作らないリスト -- 3つの問いでふるい分け
- 最低限に集中 -- 必要なものだけに資源を集める
- 慣れたら広げる -- 順番を守って幅を広げていく
作れるものを全部作りたい、という気持ちそのものは否定しなくていい。ただ、その気持ちを「今」全部叶えようとすると、どこかで詰まる。今日のために必要なものから、ゆっくり積み上げていく。クラフトは全力疾走ではなく、長い散歩に近いリズムで向き合った方が、最終的に遠くまで行ける場合が多い。
ゲームの「うまくなり方」を体系化するNEXTGG編集チーム。ジャンル別プレイヤーと共に、検証と実プレイを重ねた上達メソッドを届けている。