1ランの時間割を、始める前に頭の中で描いてみよう
「気づいたら中盤に入ってて、なんでここで躓いたのか思い出せない」ローグライク(1ランが使い捨てで、死ぬとやり直すタイプのゲーム)を数時間プレイしたあと、振り返ってみると中盤の記憶が曖昧なことがある。部屋の流れに任せて進んでいるうちに、時間の感覚を置き去りにしてしまう、という状態だ。この散らかりを起こす原因の多くは、ランを始める前の段取りが空っぽなところにある。このSTEP1では、始める前に時間割を頭の中に置いてみる、という小さな習慣を一緒に試していこう。
1ランは短距離走ではなく、長距離走に近い
ローグライクのランは、ゲームによって長さに幅があるものの、30分から2時間くらいの長さに収まる場合が多い。この時間の長さは、感覚としては短距離走よりも長距離走に近い。
長距離走で最初から全力疾走する選手はいない。序盤のペース、中盤の維持、終盤の勝負どころを、スタート前に頭の中で描いてから走り出す。ランもこれと同じ構造を持っている、という見方を一度取り入れてみると、中盤の散らかりが少しほどけてくる。
逆に、時間割を持たずにランを始めると、序盤で体力を使いすぎて中盤でダレる、という崩れ方が起きやすい。体力というのは、HPのことだけではなくて、集中力の話も含んでいる。
時間割のざっくり3分割 -- 序盤・中盤・終盤
まずはざっくり3分割で十分だ。細かい分数で区切らなくていい。ランの「3割あたりまで」「中間の4割」「最後の3割」と、おおまかに3つの区間を頭の中に置く、という感覚でいい。
- 序盤 -- ビルドの方向性を決める時間。選べる強化に対して「何を軸にしたいか」を絞っていく
- 中盤 -- ビルドを育てる時間。序盤で決めた軸に合う選択肢を集めつつ、危険な寄り道は控えめに
- 終盤 -- 仕上げの時間。集めた強化で詰めに入る。節目やボスに向けてリソースを温存する
この3つの区間ごとに、プレイヤー側が優先したい目的が少しずつ変わる。序盤は情報収集寄り、中盤は確立寄り、終盤は仕上げ寄り、という言い換えでもいい。全部を同じテンションでプレイすると、脳みそがすぐに疲れてしまう場合が多い。
区間が変わる目印を、ゲーム内の要素で置く
「序盤がいつ終わるか」を時計で決めると、集中力が時計に引っ張られてしまう。代わりに、ゲーム内の要素を区間の目印として使うのが扱いやすい。
多くのローグライクでは、第1エリアのクリアや最初の節目が、序盤終わりの自然な区切りになっている場合が多い。第2エリアの中頃から中盤、最終エリアの手前から終盤、という当てはめ方で十分機能する。
目印を決めておくと、「あ、今ちょうど中盤に入ったな」と自分で切り替えができるようになる。この切り替えの瞬間に、軽く呼吸を整えるだけでも、中盤の散らかりが目に見えて減る人は多い。
始める前の30秒 -- 今日のランで試したい軸を1つだけ決める
もう一つ、始める前の30秒でできる習慣を置いておこう。ランを開始するボタンを押す前に、「今日のランで試したい軸」を1つだけ決めてみる。
難しい軸でなくていい。「防御寄りで組んでみる」「いつもと違う武器を触ってみる」「中盤の寄り道を2つ我慢してみる」。このくらいのサイズで十分だ。決めた軸は、ランの中で常に意識しなくてもいい。序盤と中盤の切り替えのタイミングで、一度だけ思い出せれば機能してくれる。
軸を持たずにランを始めると、強化の選択肢が出るたびに気分で決めてしまって、後から振り返ると一貫性のないビルドになっていた、という経験はあるかもしれない。軸は、気分の揺れを止めるための小さな錨のような役割を果たしてくれる。
集中力は有限の資源、という前提
このSTEPで一番伝えたいのは、ランの1要素目にHPや資源があるのと同じように、集中力も有限の資源だという前提だ。集中力を時間割で管理する発想に切り替えると、1ランの質がまるで違ってくる場合がある。
長時間のランを「全部で1本の短距離走」として扱うと、中盤で息切れして判断が雑になる。「3本の区間走を繋ぐ長距離走」として扱うと、区間の切れ目で呼吸を整えられるぶん、判断が最後まで持つ。
全部のランで完璧に時間割を守れる必要はない。ただ、時間割という発想があるかないかで、同じ1時間のプレイから持ち帰れるものが違ってくる、という感覚は、このジャンルを続けていく中で何度か実感するかもしれない。
このSTEPのまとめ -- ランは区間走の集まり
- 長距離走の視点 -- ランを1本の全力疾走ではなく区間走の集合と捉え直せたか
- 3分割 -- 序盤・中盤・終盤のざっくりした目印を自分の中に置けたか
- ゲーム内の目印 -- エリアや節目を区切りに使う発想を持てたか
- 軸を1つ -- 始める前の30秒で軸を決める習慣を試してみる気になったか
- 集中力の有限性 -- 集中力も資源だ、という前提に触れられたか
ランを「流れに任せて進む時間」から「段取りを持って進む時間」にほどいていくと、同じ実力でも結果が変わってくる場合がある。肩の力を抜いて、次のランの直前に、軸を1つだけ頭に置いてみよう。それだけで十分、最初の一歩になる。
ゲームの「うまくなり方」を体系化するNEXTGG編集チーム。ジャンル別プレイヤーと共に、検証と実プレイを重ねた上達メソッドを届けている。